PCで3Dゲームや動画編集などをする際、「GPU(Graphics Processing Unit)」と呼ばれる、画像表示用の計算を専門に行う処理装置があると、表示速度を上がったり、高画質に設定できたりします。GPUはCPUと同じようにグレード分けがされており、「CPU内蔵GPU」というのは、そこまで性能の高い部類ではありませんでした。
しかし、最近は内蔵GPUも性能が上がり、バカにできません。
2021年に登場したCPU「第11世代インテルコアプロセッサ」には「Intel Iris Xe Graphics」という内蔵GPUが搭載されていますが、これがまた高性能なんです。従来の第10世代のグラフィック性能と比べると、なんと約2倍もの差があります。
その為、以前までは内蔵GPUで3Dゲームはできたものではありませんでしたが、Intel Iris Xe Graphicsでは3Dゲームも動かせるようになってきています。
そんな中でも、長い間圧倒的な人気を誇るPCゲーム「Minecraft(マインクラフト)」を、最近の内蔵GPU「Intel Iris Xe graphics」で動かすことが出来るのか、実際に検証してみました。
今回検証に使用したノートパソコンは「DAIV4P(マウスコンピューター)」です。
Intel Iris Xe GraphicsでMinecraftは余裕で動く
結論から申し上げますと、「Intel Iris Xe Graphics」で「Minecraft」は余裕で動きます。
実は内蔵GPUとは言え、GeForce MX350と同等程度の性能があります。従来の内蔵GPUと比べると比べ物にならないほど性能が上がっているということです。
Geforce MX350はGTX1050と同じGPU(GP107)を搭載しています。
参考元
そして、Minecraftをバニラで遊ぶ際の推奨スペックと最低スペックは以下の通りになっています。
最低スペック | 推奨スペック | |
---|---|---|
OS | Windows7 SP1 64bit | Windows10 64bit |
ストレージ | 1GB以上の空き容量 | 4GB以上の空き容量 SSD推奨 |
CPU | Intel i3-3210 | Intel i5-4690 |
GPU | Geforce GTX400シリーズ | Geforce GTX700シリーズ |
メモリ | 4GB | 8GB |
動作環境表を見てみると、推奨スペックでも「Geforce GTX700シリーズ」ですので、「GTX1050」と同じGPUを搭載している「Intel Iris Xe Graphics」は余裕で、推奨スペックを超えていることになります。
最低スペック < 推奨スペック <<< Intel Iris Xe Graphics
私の使用しているノートパソコンも「Intel Iris Xe Graphics」なので、実際にMinecraftを動かして確認してみました。
動画では、F3を押して表示できる情報を載せています。
また、Minecraftでは設定によっても、処理の重さが変わってきますので、動画内でのビデオ設定も載せておきます。
動画内の動作環境
PCスペック | 詳細 |
---|---|
OS | Windows 11 Home 64bit |
ストレージ | SSD 1TB 空き容量700GB以上 |
CPU | intel core i7 1165G7 |
GPU | intel Iris Xe Graphics |
メモリ | 32GB(16GB×2) |
ビデオ設定 | 詳細 |
---|---|
MOD | 軽量化MOD(Optifine):ON 影MOD:OFF |
グラフィックス | 描画優先(高負荷) |
スムースライティング | 最大(最高負荷) |
GUIの大きさ | 自動 |
動的な光源 | オフ(初期値) |
細部の設定 | 基本デフォルト設定 (雲のみOFF) |
アニメーションの設定 | デフォルト設定 |
描画距離 | 12チャンク |
演算距離 | 12チャンク |
最大フレームレート | 無制限 |
ちなみに、動画内ではF3を押していろいろな情報を載せていますが、動画を撮影しながらプレイしている時点で少し動作は重くなっています。
また、筆者はノートパソコンでプレイしていますが、ノートパソコンでは「バッテリー駆動時」と「電源供給時」ではパフォーマンスに差が出ることが多いです。
ノートパソコンとデスクトップパソコンでも多少の差が表れるかもしれませんので、この記事の情報はあくまでも参考程度に見てください。
遊び方によってはスペック不足になる
Intel Iris Xe Graphicsがそれなりの性能があるからと言っても、Minecraftの遊び方によってはスペックが少々足りなくなる可能性があります。
スペック不足になる遊び方
- ビデオ設定を最高設定にして遊ぶ
- 影MODなどの高負荷MODを導入して遊ぶ
- etc…
これらの高負荷のかかる設定やMODを導入すると、少しスペック不足を感じると思います。
ビデオの設定を上げた場合と、影MODを入れた場合の動作の感じを動画にしてみましたので、是非ご覧ください。
ビデオ設定を最高設定にして遊ぶ
マイクラ内で設定できる「ビデオ設定」を最高設定など設定を上げすぎると、少し重たくなってしまいます。
以下の動画はマイクラ内のビデオ設定で「描画距離」「演算距離」を最大まで引き延ばした場合の動作確認動画となっています。ちなみに「描画距離:48チャンク」「演算距離:32チャンク」になっています。
【描画距離】
プレイヤーの立っている位置から、画面に表示する距離の事です。数値が大きければ大きいほど、遠くの景色まで見ることが出来ますが、負荷が大きくなります。
【演算距離】
プレイヤーが立っている位置から、どれだけの距離を演算するかということです。演算外の距離は動きが止まるので、数値が大きいほど負荷が大きくなります。
動画を見てもらうとわかりますが、意外と最大チャンクにしても動くことが確認できます。(設定変更直後は読み込みの為少しカクツキが気になります)
しかし、12チャンクの時と比べると、FPSの低下は感じられます。
正直、最大チャンクまで設定を上げる必要はないと思います。
ゲームをプレイするうえでは、最大チャンクまで設定を上げなくても何の支障もありません。大体8チャンク~16チャンクくらいで快適にゲームが出来ますので、特別こだわりがなければ、12チャンク程度をお勧めします。
最大設定にすると、PCにも負担をかけてしまいますので、プレイに支障のない最低限のチャンク設定にするとよいです。
影MODなどの高負荷MODを導入して遊ぶ
マイクラでは、MODと呼ばれる追加データをいれて祖ぶことが出来ます。
もちろん高負荷のMODが存在します。今回はその中でも有名な「影MOD」を導入してプレイしてみました。
今回使用した影MODは「KUDA-Shaders v6.1 Legacy」です。
個人的な感覚としては、影MODの中では、軽めの部類に入る影MODです。
それでは、動画をどうぞ
影MODは高負荷のMODであることもあり、画面のカクツキはすこし気になるレベルになります。
ただし、今回使用した「KUDA Shaders」は美しいグラフィックの割に、軽めのShadersなので、重すぎて遊べないという事態には陥りませんでした。
2018年くらいに使っていた、内蔵GPUノートPCだと、重すぎて影MODなんて使えた物じゃなかったので、技術の進歩に感動です。
この動画では、その辺を歩き回るだけでしたが、ゲーム内で回路を作ったり、重たい処理をしようとすると、すこしスペック不足になるかもしれませんね。
影MOD+ほかの重たいMODを入れようとすると、確実にスペックが足りないので、内蔵GPUではなく、ちゃんとしたグラフィックボードを搭載したゲーミングパソコンを買うことをお勧めします。
通常プレイに支障はない
今回の検証で、通常のプレイに支障はないことがわかりました。
Intel Iris Xe Graphicsでマイクラの通常プレイに支障はない
ただし、影MODなどの高負荷処理はカクつく
最近の内蔵GPUの進化によって、マイクラも快適に遊べるようになりました。
ぜひ参考にしてみてください。
内蔵GPUだけではなく、CPUやメモリなども動作には関係してくるので、そのあたりも考慮してパソコン選びをしてみてください!
コメント